一ファンが考えるWITHコロナのエンタメ

地方在住ですが,2019年は巨人戦4試合(巨人ファンです),ライブは4回行った者です。2020年は行く予定だったライブが5公演中止になりました。最近は,新型コロナウイルスからのエンタメ界の復興をテーマに,ライブやプロ野球観戦が好きな者としての意見を発信しています。

音楽がコロナ渦を乗り切るカギは「国際化」と「ファンクラブ」

ここ数年,音楽ビジネスはCDの売り上げが減り,ライブの売り上げが増加している,「ライブ依存」と言っても良いビジネスとなっていた。

 

そんな中,Covid-19の影響により,ライブを含むイベントの自粛要請が出された。

 

現在,ほとんどの場合において自粛要請は出されていないが,ガイドラインが制定され,罰則等は無いものの,ライブを行う際は,このガイドラインに沿って行うことが求められている。しかし,ライブは元々,会場を満員にした時のチケット代で,ようやくトントンとなるようなビジネスで,グッズ販売によって無理矢理黒字化させているのが実情だ。今の状況下ではライブを行うとしても,チケット代を高くするか(元々のライブのチケット代が安すぎるというのもあるが),赤字覚悟で行うしかないだろう。

 

この状況下で音楽ビジネスを成り立たせるために,どうすれば良いのか。私が考えるのは,「国際化」と「ファンクラブの充実」だ。

 

国際化

日本の音楽業界は,そのほとんどが国内で収益を挙げているだろう。海外進出といえば,トップクラスの一部のアーティストしか本格的に行っていないのが実情だ。

しかし,日本のトップクラスとは言えないアーティストでも,YouTubeに公開しているPVのコメント欄に,日本語以外の言語でのコメントが多く書かれている歌手は少なくない。つまり,日本のトップクラスとは言えないアーティストでも,海外のファンが一定数いるアーティストもいるのだ。ところが,そういったファンによってアーティストにもたらされる収入は,現状ではせいぜいYouTubeの広告料収入くらいだろう。ライブを行うとしても,日本でさえチケット代でトントンというビジネスなのだから,渡航費等がかさむ海外でのライブを黒字化させるのは至難の業だ。

では,海外のファンからいかにして収入を得るか。その答えとして,配信ライブを海外にも発信することが挙げられるだろう。

海外の方々は,日本のアーティストを見る機会がオンラインに限られているとほぼ言えるので,配信ライブがたとえ有料でも,日本のファンよりも喜んで視聴するのではないかと思う。

このようにして,インターネットの発達により,日本の音楽が海外で収益をあげることは,以前より容易になっている。

もっと言えば,日本は少子高齢化が進んでいる。このまま人口が減っていった場合,日本人のファンを増やすことも難しくなるだろう。例えば,日本人の0.1%がファンになるアーティストAがいるとする。アーティストAの現在のファンの数は,人口が1億2千万人と仮定して12万人だ。しかし,人口が減り,1億人となれば,ファンの数は10万人,人口が8000万人となれば,ファンの数は8万人と,どんどんファンの数が減っていってしまう。これを防ぐためには,Covid-19に関係なく,海外進出をどんどん進めるしかないだろう。

 

ファンクラブ

アーティストの収入源の1つとして,ファンクラブが挙げられる。しかし,ファンクラブについて,年に数回映像コンテンツや会報誌を提供するだけで,たいして充実した内容ではなく,入会しているファンも,主な入会目的はライブのチケット取得のためという人は少なくないだろう。現在行われている配信ライブは,生のライブに見られるような観客ごとの席の違いが無いため,ファンクラブ会員限定の配信ライブを行わない限り,配信ライブでファンクラブの価値を提供することは難しい。ライブのチケット取得のためにファンクラブに入っているファンには,Covid-19が落ち着き,ライブが再開されるまでの間,一時的にファンクラブの退会を検討している人もいるかもしれない。それはアーティストにとって更なる収入減につながるため,アーティストのビジネスの観点では回避しなければならない。

しかし,ファンクラブにはまだまだコンテンツを充実させる余地があると考える。例えば,定期的(できれば月2回以上の頻度)なトーク生配信を行うだけでも,全然違うだろう。その他にも,楽曲作成の裏側の映像を配信したり,ファンクラブの会員に意見を募集しながらグッズ作成を行うなど,アーティストの特性などによって,様々なコンテンツを提供できる可能性がある。そうしたら,現在のファンクラブの値段よりも,高い値段でも,コアなファンであればファンクラブに喜んで入るだろう。

ファンクラブを充実させれば,思うようにライブが出来ない状況下でも,サブスクで音楽を聴いてもらってファンになってもらい,ファンクラブに入ってもらうといったビジネスで,収益をあげることが出来るかもしれない。