一ファンが考えるWITHコロナのエンタメ

地方在住ですが,2019年は巨人戦4試合(巨人ファンです),ライブは4回行った者です。2020年は行く予定だったライブが5公演中止になりました。最近は,新型コロナウイルスからのエンタメ界の復興をテーマに,ライブやプロ野球観戦が好きな者としての意見を発信しています。

一ファンが考えるWITHコロナの音楽ビジネス

【はじめに】

新型コロナウイルスの感染拡大により,ライブが出来なくなり,音楽界には大変な思いをされている方がたくさんいらっしゃいます。

新型コロナウイルスが収束すればと思われている方は沢山いらっしゃると思いますが,それはワクチンや治療法が普及しないと現実的には難しい話であると思われます。すぐにこのような状況になるとは考えにくく,新型コロナウイルスが存在し続ける中でどのように音楽ビジネスを継続させていくかは大きな課題になると言えます。

また,以前には新型インフルエンザが発生したり,コロナウイルスの仲間でも,日本では大きな感染拡大には至らなかったものの,SARSやMARSが発生するなど,新型ウイルスが発生することがありました。将来的にまた同じような新型ウイルスの感染拡大と,それに伴うイベント自粛や外出自粛の動きは生じるリスクはあり,現在のライブ依存のような状態が続くと,新型コロナウイルスが収束したとしても,また別の新型ウイルスが発生した際に,現在や2月下旬から6月までと同じような危機に陥ることも十分考えられます。

そこで,年に何度かライブに行く者として,今後音楽ビジネスがどうあるべきか考えてみました。

私自身は音楽とは全く関係の無い仕事をしている者であり,音楽界の現実や現状と違うことを述べるかもしれませんが,一ファンの意見として,ご了承いただければと思います。

 

【WITHコロナのライブ】

まずはライブについてです。

2月や3月にライブハウスでクラスターが発生しましたが,感染対策の徹底もあり,それ以降はクラスターと認定された公演はありません。また,ホールやアリーナ,ドームクラスのライブでは,一度もクラスターと認定された公演はありません。

現在,ライブではマスクやフェイスシールドの着用や消毒・検温・観客同士やステージと客席間の距離の確保,大声の禁止などの感染対策を行ったうえで実施されています。このような感染対策を行えば,発熱があり感染している可能性がある観客は検温でシャットアウト出来るうえ,無症状の感染者が来たとしても,その人が他の人に移すリスクは低いと考えます。よって,現在の状況ではライブでクラスターが発生するリスクは低いと考えられ,感染対策の上ではライブは実施可能だと考えます。

しかし,ライブは満員まで観客を入れて,そのチケット代でようやく元を取れるくらいのビジネスであり,感染対策をして定員を会場のキャパより抑えてライブを行っても,赤字となるのが実情です。

そのため,現在の状況でもライブで収益をあげるために,チケット代の値上げや,前方の席をVIP席として,特典を付けたうえでチケット代を高くする,スポンサーを確保し,スポーツイベントのように,スポンサー料でも収益を確保する,生配信も同時に行うなどのことが必要だと考えます。

このように,ライブで収益をあげることが出来れば,ライブに携わるスタッフの方々も,ライブの仕事を続けることが出来ます。また,ライブハウスなどのライブ会場も存続し続けることが出来ます。

今の雇用を確保したうえで,私たちが良い音楽を聴き続けることが出来ること,これが一番の理想だと思います。

また,WITHコロナでライブを存続させるために必要なこととして必要なこととして,ライブにあまり行かない人にもライブで行われている感染対策をアピールして,感染対策をしたライブは安全なんだと思ってもらうことが挙げられます。ライブに行こうと思っても,職場の人や家族に止められた人は少なく無いことが推測されます。そのような人を少なくするためにも,テレビCMなどでライブで行われている感染対策をアピールするなど,ライブに行かない人にも今のライブは安全だというイメージを持ってもらうことが必要だと考えます。そのためには,クラウドファンディングで音楽ファンからお金を募って,ライブでの感染対策をアピールするテレビCMを作り,テレビで流してもらうなどの方法が考えられます。

ただ,行ったライブに無症状でも感染者が来ていたことが判明しただけで,たとえ,その感染者が他の人に移していなかったとしても,様々な影響を受ける方々も多いと思います。そのため,いくら感染対策を行ったとしても,ライブに行くことに抵抗を覚える方が多くなるのは現実だと思います。

 

【多様な稼ぐ手段を】

WITHコロナでは,ライブに依存しないビジネス形態を構築することが必要であると考えます。

様々な稼ぐ手段があることで,そのうち1つが駄目になっても,ミュージシャンは他の事業で得られる収益で音楽を続けることが出来ると思います。

例えば,コロナ渦でよく行われていることとして,オンラインライブが挙げられます。観客を入れて行うライブよりも自由な環境下で,それぞれの個性を発揮して行うことで、オンラインライブの価値を高めることが出来ると考えます。

その他にも,ファンクラブの充実も有効だと考えます。例えば,映像コンテンツを充実させたり,トーク生配信を行うなどすれば,それだけでもファンクラブの価値を高めることが出来ます。

そうすれば,ファンクラブの会費を高くすることも出来ると思います。勿論,現在と同じ特典,同じ会費のままのプランを残しながら,新プランとして行うことも出来ます。

また,これはファンやアーティストによって賛否が分かれると思いますが,会員1人のためだけのライブを行うなどの特典がついた,数十万円かから数百万円単位の高額な限定プランを作ることも選択肢に入ると思います。これを小規模なライブハウスで行えば,ライブハウスの存続にも繋がります。

 

【J-POPよもっと海外に】

日本の音楽市場はもう成熟しているという意見がありますが,私はまだ伸びしろはあると考えています。J-POPは海外ではアニメの主題歌などの一部を除き,ほとんど海外で聞かれていないからです。

確かに,日本の歌手が海外のファンから収益を挙げるのは,以前は難しいことでした。ライブを行うとしても,渡航費が掛かる海外で黒字化させることは至難の業です。ですので,日本でトップクラスの歌手を除き,海外でのライブを行うJ-POPアーティストはほとんどいませんでした。

その一方で,国際的に普及している音楽の定額ストリーミングサービスやYouTubeなどで,海外の方々がJ-POPと出会い,聴くことは容易になってきています。しかし,日本の歌手の方々は,海外進出の観点では,このようなプラットホームを活かしきれて無いのが実情だと思います。

そのため,J-POPの音楽を海外の方々へ発信することで,J-POPのファンを増やすことは可能だと考えます。

例えば,海外の方々向けのSNSアカウントを作り,英語や中国語などで発信したり,YouTubeにあるPVのコメント欄に英語や中国語などの説明をつけるだけでも,行う価値はあると思います。

言葉の壁などの課題はありますが,日本で人気がトップクラスとは言えない歌手の中でも,YouTubeのPVに多くの英語のコメントが寄せられる歌手もあり,その点から,J-POPの歌手の方々が海外のファンを獲得できる可能性は感じられます。

では,そういったファンからどう収益を獲得するのか。その方法として,オンラインライブを海外にも発信することが挙げられます。

K-POPを例にとってみると,BTSが国際的にオンラインライブを行った結果,99万人が視聴したといいます。確かに,BTSは世界中でトップクラスの人気を誇るグループのため,ここまでの視聴者を獲得するのは,いくら国際的にオンラインライブを行ったとしてもなかなか難しいことではあります。しかし,1国だけにオンラインライブを発信して,ここまでの視聴者を獲得するのは,どんなに人気なアーティストでも難しいことだと思いますし,国際的にオンラインライブを行うことで,多くの視聴者を獲得できる良い例であると言えると思います。

実際,日本から海外にオンラインライブを発信するプラットフォームはあります。これを十分に生かさない手は無いです。

 

【最後に】

「コロナさえ終わってくれれば,元通りの生活に戻れるのに」

音楽に限らず,こう思っている方々は多いと思います。しかし,これから音楽業界が目指すべきなのは,本当に「元通り」なのでしょうか。はじめに話した通り,元通りになったら,また別のウイルスの感染が拡大した際に,また同じような危機に陥るだけです。これからも音楽が鳴り続けられるように,今こそ,音楽業界は大きく変わるべき時なのだと思います。