一ファンが考えるWITHコロナのエンタメ

地方在住ですが,2019年は巨人戦4試合(巨人ファンです),ライブは4回行った者です。2020年は行く予定だったライブが5公演中止になりました。最近は,新型コロナウイルスからのエンタメ界の復興をテーマに,ライブやプロ野球観戦が好きな者としての意見を発信しています。

この手があったか!僕が驚いたコロナ渦での音楽業界マネタイズ術

 Covid-19の緊急事態宣言が出ていたか,出るまで秒読み状態であった中,SUPER BEAVERというバンドが,それぞれの自宅からYouTubeトークの生配信を始めました。この生配信は毎週土曜日に十数回行われました。

 

 この時期,メジャーデビューをしたSUPER BEAVER。メジャーデビューシングルの宣伝などがビジネス面でのメインの目的だったようですが,YouTubeの生配信自体では,そんなに広告料収入を得られていないようでした。

 

 僕自身も,この生配信って,結局はあまり収益には繋がってないよなと思っていました。

 しかし,ある方法で,この生配信の収益を向上させたのです。

 

 この生配信では,メンバーの4人が絵を描きながら行うゲームを行っていたのですが,その時に描いた絵がプリントされたマグカップを販売したのです。

 

 SNSを見る限り,多くの人がこのマグカップを購入していました。緊急事態宣言のさなか,生配信を楽しんだ記念として,多くのファンがマグカップを購入したのだと察します。普通に店頭に並んでいる状況では買う人はまずいないようなデザインのマグカップです。

 

 アーティストのグッズは,ライブという付加価値をつけて販売するのが主流です。そのライブがコロナ渦で最もやりにくい状況の中,SUPER BEAVERはこのコロナ渦でも出来る方法でグッズに付加価値を付けることが出来たのです。

 

 グッズにオンラインで付加価値を付け,販売する。これもコロナ渦で音楽で収益をあげる1つの方法だと思います。

ライブの前方の席は高額にしても良いのではないだろうか

 このコロナ渦で思ったことがあります。

 

 アーティストのライブのチケット代は,大半が数千円ですが,アリーナ規模では100人以上にのぼるスタッフの方々の人件費や,会場のレンタル代,機材のレンタル代,遠方の会場であれば交通費・宿泊費など,イベント開催には多額の費用がかかります。これらの費用は,数千円のチケット代だけでは決して回収出来ないものだといいます。

 

 ですので,多くのライブにおいて,チケット代だけでは十分な利益が出ず,グッズ販売を行い,その収入で利益をあげているといいます。

 

 

 一方,ライブのチケットは,前方の席を中心に,高額で転売されています。このことから,ライブのチケット単体に高額な価値を見出している人が多くいることが言えます。

 

 どうせ高額で転売されるのであれば,前方の席は,最初から主催者が高額で販売したらどうでしょうか。

 

 アーティストの全力のステージを至近距離の多くの人が望んでいる席で見れる権利です。主催者もその権利を安売りせず,その価値に見合った価格で販売すれば良いと思います。

 

 そうすれば,ライブ全体の収益も上がり,音楽業界が更に儲かるビジネスになり,音楽ファンはこれからも音楽を楽しみ続けることが出来るのではないのでしょうか。

 

音楽がコロナ渦を乗り切るカギは「国際化」と「ファンクラブ」

ここ数年,音楽ビジネスはCDの売り上げが減り,ライブの売り上げが増加している,「ライブ依存」と言っても良いビジネスとなっていた。

 

そんな中,Covid-19の影響により,ライブを含むイベントの自粛要請が出された。

 

現在,ほとんどの場合において自粛要請は出されていないが,ガイドラインが制定され,罰則等は無いものの,ライブを行う際は,このガイドラインに沿って行うことが求められている。しかし,ライブは元々,会場を満員にした時のチケット代で,ようやくトントンとなるようなビジネスで,グッズ販売によって無理矢理黒字化させているのが実情だ。今の状況下ではライブを行うとしても,チケット代を高くするか(元々のライブのチケット代が安すぎるというのもあるが),赤字覚悟で行うしかないだろう。

 

この状況下で音楽ビジネスを成り立たせるために,どうすれば良いのか。私が考えるのは,「国際化」と「ファンクラブの充実」だ。

 

国際化

日本の音楽業界は,そのほとんどが国内で収益を挙げているだろう。海外進出といえば,トップクラスの一部のアーティストしか本格的に行っていないのが実情だ。

しかし,日本のトップクラスとは言えないアーティストでも,YouTubeに公開しているPVのコメント欄に,日本語以外の言語でのコメントが多く書かれている歌手は少なくない。つまり,日本のトップクラスとは言えないアーティストでも,海外のファンが一定数いるアーティストもいるのだ。ところが,そういったファンによってアーティストにもたらされる収入は,現状ではせいぜいYouTubeの広告料収入くらいだろう。ライブを行うとしても,日本でさえチケット代でトントンというビジネスなのだから,渡航費等がかさむ海外でのライブを黒字化させるのは至難の業だ。

では,海外のファンからいかにして収入を得るか。その答えとして,配信ライブを海外にも発信することが挙げられるだろう。

海外の方々は,日本のアーティストを見る機会がオンラインに限られているとほぼ言えるので,配信ライブがたとえ有料でも,日本のファンよりも喜んで視聴するのではないかと思う。

このようにして,インターネットの発達により,日本の音楽が海外で収益をあげることは,以前より容易になっている。

もっと言えば,日本は少子高齢化が進んでいる。このまま人口が減っていった場合,日本人のファンを増やすことも難しくなるだろう。例えば,日本人の0.1%がファンになるアーティストAがいるとする。アーティストAの現在のファンの数は,人口が1億2千万人と仮定して12万人だ。しかし,人口が減り,1億人となれば,ファンの数は10万人,人口が8000万人となれば,ファンの数は8万人と,どんどんファンの数が減っていってしまう。これを防ぐためには,Covid-19に関係なく,海外進出をどんどん進めるしかないだろう。

 

ファンクラブ

アーティストの収入源の1つとして,ファンクラブが挙げられる。しかし,ファンクラブについて,年に数回映像コンテンツや会報誌を提供するだけで,たいして充実した内容ではなく,入会しているファンも,主な入会目的はライブのチケット取得のためという人は少なくないだろう。現在行われている配信ライブは,生のライブに見られるような観客ごとの席の違いが無いため,ファンクラブ会員限定の配信ライブを行わない限り,配信ライブでファンクラブの価値を提供することは難しい。ライブのチケット取得のためにファンクラブに入っているファンには,Covid-19が落ち着き,ライブが再開されるまでの間,一時的にファンクラブの退会を検討している人もいるかもしれない。それはアーティストにとって更なる収入減につながるため,アーティストのビジネスの観点では回避しなければならない。

しかし,ファンクラブにはまだまだコンテンツを充実させる余地があると考える。例えば,定期的(できれば月2回以上の頻度)なトーク生配信を行うだけでも,全然違うだろう。その他にも,楽曲作成の裏側の映像を配信したり,ファンクラブの会員に意見を募集しながらグッズ作成を行うなど,アーティストの特性などによって,様々なコンテンツを提供できる可能性がある。そうしたら,現在のファンクラブの値段よりも,高い値段でも,コアなファンであればファンクラブに喜んで入るだろう。

ファンクラブを充実させれば,思うようにライブが出来ない状況下でも,サブスクで音楽を聴いてもらってファンになってもらい,ファンクラブに入ってもらうといったビジネスで,収益をあげることが出来るかもしれない。

無観客ライブに価値はあるのか

今,Covid-19の影響で,ライブの開催が難しい中,オンラインでの無観客ライブを行う歌手の方々が増えています。

 

一方,無観客ライブに数千円を払う価値があるのかと,疑問に感じている音楽ファンも多くいらっしゃると思います。

 

僕自身は,今まで,いくつかの無観客ライブを見てきました。

 

勿論,コロナウイルス感染拡大前は,有観客のライブに参戦してきました。

 

正直言って,感動としては,無観客ライブは,有観客ライブと比べて,どうしても劣ります。

 

それでも,ある考え方を持てば,有観客ライブにお金を払う価値を感じられると思います。

 

その考え方は,「無観客ライブは,有観客ライブとも,CDやサブスク,ライブDVDとも違う,音楽の発信方法だ」ということです。

つまり,「無観客ライブは,有観客ライブの代わりでは無い,別のものだ」ということです。

 

無観客ライブには,いくつかの魅力があります。

1つ目は自由度です。これは観客視点でも主催者視点でも,大きなものがあります。

まずは観客視点です。無観客ライブの楽しみ方は多様です。お酒を飲みながらまったり見るのもありですし,声を出せる環境で見れば,歌って盛り上がることもありです。ファン仲間同士で,感想を言い合いながら見るのもありですし,防水機能のあるもので見れば,お風呂に入りながら見るのもありです。SNSでは,ライブに合わせて楽器を演奏しながら見ている方もいらっしゃいました。その他にも,僕には思いつかないような楽しみ方で楽しまれている方もいらっしゃると思います。この自由度は,有観客ライブには無いものです。

一方,主催者視点です。主催者視点でも,無観客ライブの自由度は大きいと言えます。例えば演出です。サザンオールスターズさんの無観客ライブでは,横浜アリーナの普段は観客が入る場所を利用し,大きな聖火を登場させる演出や,多くのダンサーがセンターを踊り回るような演出がありました。有観客ライブとは違い,カメラを設置する場所は必要ですが,観客を入れている状況では出来ない演出で,音楽の世界を表現することが出来ます。勿論,そのような大きな演出を用意しなくても,十分無観客ライブは成り立ちます。また,無観客ライブは有料でも無料でも行われています。例えば,CDの発売時に,その宣伝のために,YouTube等を用いて無料で行うことも出来ますし,本格的な設備を用意して,有料で行い,直接収入に繋げることだって出来ます。

 

2つ目は双方向性,リアルタイム性です。チャット機能や,SNSを用いれば,歌手の呼びかけに対し,観客が反応することが出来ます。更に,その反応に対して,歌手の方が返すことで,有観客ライブで見られるような,双方向のやり取りが出来ます。これは,有観客ライブで歌手と観客との間でのやり取りがMCであるように,有観客ライブでも持ち合わせている魅力ではありますが,以前より広く普及していたライブDVDには無い魅力です。

 

このような自由度と双方向性を複合的に持ち合わせている音楽の発信方法は,現状では無観客ライブ生配信だけだと考えます。

 

ライブに大きな制限が掛かっている昨今,どうしても無観客ライブには,有観客ライブの代わりとしての期待を抱いてしまいますが,「有観客ライブ代わり」ではなく,「他のものとは違う音楽の発信方法」としての視点を持てば,無観客ライブは,音楽を楽しむ側,発信する側双方にとって,価値のあるものになると思います。

地方のライブハウスと無観客ライブ生配信

最近は,過去のライブの映像をYouTube等で配信することが主流になっておりますが,

新型コロナウイルスでライブが出来なくなった頃は,無観客ライブの配信を行う流れが起きていました。

今も,一部の歌手は行っていると思います。

 

今後,新型コロナウイルス影響が続けば,無観客ライブを有料で配信することを検討したり,実際に行う歌手が多くなってくることが考えられます。

 

無観客ライブを行うにあたって,ライブハウスは,音響・照明・遮音等の設備が整っているため,適した環境になると言えると思います。

 

しかし,一定数以上のファンがいる歌手の多くは,東京などの大都市圏に住んでいると思います。

そのような歌手が,わざわざ地方まで行き,無観客ライブを行うことは考えにくいと思います。

 

そうなると,地方のライブハウスにとって,無観客ライブは,必ずしも救世主になるとは考えにくいと思います。

勿論,地方に住んでいる歌手の方々が,住んでいる地方のライブハウスで無観客ライブを行うことは考えられますが,先程も述べたように,一定数以上のファンがいる歌手の多くは東京などの大都市圏に住んでいると考えられ,地方に住んでいる歌手の方は少ないと思います。

 

では,地方のライブハウスはどう生き残れば良いのか。今多くのライブハウスで行われているグッズ販売以外の,ライブハウスとしての特性を活かしながら生き残る方法は,まだ考えついていませんが,これからも考えていこうと思います。

自分が考える,新型コロナウイルスの報道においてライブハウスだけが悪者にされる訳

昨今,新型コロナウイルスに関する報道を見ていると,ライブハウスだけが悪者扱いされているような気がします。

3月6日のめざましテレビとか,もう見てて呆れました。

 

それで,何でこのようにライブハウスだけが悪者扱いされるような報道をされているのか,考えてみました。

 

厚生労働省新型コロナウイルスに関する報道発表を見たところ,これじゃないかなという答えが見えてきました。

 

ここでは,陽性が出た患者さん一人一人に番号が割り振られ,感染確定日や患者さんの年齢(年代別),性別,居住都道府県等を確認することができます(勿論,個人名など個人情報は出ていません)。

 

その中に,患者さんの周囲の新型コロナウイルス発症状況を示す欄があります。

そこには,患者さんの周囲にいる他の患者さんのほか,感染したとみられる場所(ライブハウスや卓球スクールなど)が示されています。

 

そこを見ると,「調査中」の患者さんが多いんです。つまり,何処で誰から感染したかよく分からない患者さんが多いと言えると思います。

 

このことを考えると,以下のことが言えると思います。

・大阪のライブハウスに行った人が感染した場合,大阪のライブハウスに行った事実だけで,大阪のライブハウスで感染したと特定できる。

・一方,街中や電車の中などで感染した場合,どこで誰から移されたのかが特定しにくい。

以上の2つによって,現状特定できる感染源が限られる。非常事態では,誰かしら悪者を作りたいという心理が働くので,現状クラスターの発生が確実視されているライブハウスを叩きたくなる。

 

以上だと思います。

 

あくまで個人的な私見ですので,ご了承いただければ幸いです。

 

 

コロナウイルスでライブが中止。そんな今こそCDを買おう!

ご存知の方も多いと思いますが、新型コロナウイルスの観戦拡大防止のため、政府からの要請もあり、ライブの中止や延期が相次いでいます。

 

これによるエンタメ界の損失は数百億円と言われています。

 

国内でも感染が拡大して、感染によって亡くなるリスクがある、特効薬が無い、そして、大阪ではライブで感染が広まった例がある以上、これは止むを得ない面もあるのかもしれません。

 

ただ、これでアーティストが受ける損失を、少しでも少なく出来ないものか。

それで考えたのですが、

今こそ、CDを買ったらどうでしょうか。

好きな歌手の全部のCDを持っている訳ではないという人もいると思います。

そういう方は、今こそ買ってみたらどうでしょうか。

そうすれば、少しでも歌手の方にお金が行くことになります。

 

ただ、ライブだけに関わり、CD制作には関わらないスタッフさんもいると思います。

これによって、そういうスタッフさんや、関連業者さんにまでお金が行くわけではないと思うので、損失を完全に回復させる特効薬ではないのは確かです。

 

でも、ライブを中止したことでアーティストが受けた損失を少しでも補填することにはなると思います。

 

お金が無くても、今は課金しなくても良い聞き放題サービスが充実しているので、それでいつもより多く音楽を聞くのも、良いと思います。

 

今、エンタメ界は大きい危機に直面しています。この記事が、その危機を乗り越える一助になれば、幸いです。