感染対策が不十分なライブを0に
2020年2月~3月に行われたライブでクラスターが発生したこともあり,前回の記事にも記載したとおり,ライブハウス等では感染対策のガイドラインを設定して,それを守ったうえでライブが行われてきました。しかし,最近になって,あまり有名ではないアーティストを中心に,感染対策が不十分なライブが散見されるようです。
ガイドラインをしっかり守ったうえでライブが出来れば,この状況でクラスターが起こる訳が無いと思えるくらい安全なライブを行えますが,ガイドラインが守られていない状態だと,2020年2月~3月にクラスターが発生したように,感染リスクの大きい危険なライブになってしまいます。
2021年8月12日の政府分科会の尾身会長の会見で,「人が密集しない以下の場所では感染防止対策を徹底したうえで利用可能」として,その例に「観客が声を出さないコンサートや演劇」が挙げられていました。ライブの感染対策は,ついに政府分科会に評価されるところまで来ているのです。
その一方,比較的無名のあるアーティストが7月に行ったライブの映像がYouTubeに挙がっていたので,見てみました。その映像には,観客の歓声や掛け声が収録されていました。今この状況でこのようなライブが行われているのだと,私は信じられませんでした。
大多数のライブで感染対策が徹底されていても,一部のライブでこのようなことが行われ,そこでクラスターが発生しているようでは,ライブ業界全体へ非難が起こります。
今一度,ドームやスタジアムを埋められる人気を持つアーティストのライブから,ライブに数人しか集まらない無名・駆け出しのアーティストのライブまで,ライブ業界・音楽業界全体で,感染対策を徹底する必要があると考えます。
今,ライブに行ける方々は,ライブで十分に感染対策が取られている前提のうえで,行けるのだと考えます。ライブで十分に感染対策が取られてないと,ライブに行ける方々も少なくなり,現在のガイドラインで認められている,会場の収容人数の50%の観客さえ入らないライブが多くなると考えます。それは結局,ライブ業界・音楽業界全体の首を絞めることにも繋がると考えます。
感染対策を十分にせずライブをすることは,アーティスト個人の損失にもなりますし,ライブ業界・音楽業界全体の損失に繋がります。
最近発生しているライブハウスのクラスターについて
最近,各地のライブハウスでクラスターが発生するようになりました。
2021年7月以降,報道されていて,私が把握しているだけでも,神戸,鳥取,山口,そして仙台のライブハウスでクラスターが発生しています。
ここで私が言いたいことは以下のことです。
・クラスターが発生したライブハウスで,感染対策のガイドラインが守られていたか検証が必要
・ガイドラインが守られていたにも関わらずクラスターが発生した場合は,ガイドラインの見直しが必要
・ガイドラインが守られていなかった場合,その旨を世間一般に公表することが必要
ライブハウスやライブホールには,一般社団法人ライブハウスコミッション,NPO法人日本ライブハウス協会,日本音楽会場協会が作成した,ガイドラインがあります。まずは,クラスターが発生したライブにおいて,このガイドラインが守られていたかの検証を,クラスターが発生したライブの主催者や,業界団体が行うことが必要です。
ガイドラインが守られていたにも関わらず,クラスターが発生した場合は,ガイドラインを見直さなければなりません。クラスターが発生したライブから,ガイドラインの不十分な点を推測し,ガイドラインを改良していくことが必要です。
クラスターが発生したライブがガイドラインを十分に守っていなかった場合,ライブ業界全体のために,その旨を公表することが必要だと考えます。今,多くのライブでは感染対策を行っており,その結果も出ていますが,感染対策が十分ではないライブのせいで,ライブ全体のイメージが悪くなるようでは,ライブ業界全体に悪影響を及ぼします。そのため,業界団体や,クラスターが発生したライブの主催者・会場が,「クラスターが発生したライブでは感染対策が不十分だった」ことを公表することで,「危険なのはあくまで感染対策が不十分なライブで,感染対策が十分なライブは安全で,今行われているライブの大多数は感染対策を十分に行っている」ことをアピールすることが,ライブの現場を守ることにも繋がると考えます。
コロナ渦の重要な収入源 コロナ渦で作るべきグッズ
コロナ渦の中,アーティストやイベントのグッズも,コロナ前とは違ったものが求められていると考えます。
アーティストやイベントのグッズは一般的に,ライブを楽しむために買ったり,ライブの記念に買うなど,ライブで買うものという印象が大きかったです。
しかし,新型コロナウイルスの影響により,今もライブが中止になることがあります。ライブが中止になった場合,グッズ販売がライブ中止の損失の補填に繋がるため,ライブを行わなくても,買ってもらえるグッズを作ることは重要なことです。そのため,グッズには,コロナ前とは違った工夫が求められると考えます。
その工夫とは,「日常生活で使えるもの」ということです。今までは,「ライブで身に着けるもの」がグッズの主なものでしたが,これからは,「日常生活で使ったり,身に着けたりするもの」を主にグッズを作っていかなければならないと考えます。具体的には,以下のとおりです。
・普段使い出来る服,かばん等
・食器
・文房具
・タオル
・キーホルダー
・家に飾れるもの(タペストリー・カレンダー・時計)
・スマホケース
・マスク
・ステッカー
・アクセサリー
・クッション
・ゴミ箱
・スマホケース
他にも,アーティスト等の特性次第で,様々なグッズを作れる可能性があると思います。
普段使い出来るグッズであれば,私もライブに行かなくても欲しいと思いますし,このように思う音楽ファンは多いと思います。
また,先日SUPER BEAVERさんの事例を紹介したように,このような商品を,オンラインで付加価値を付けたうえで販売出来れば,なお良いと考えます。
ライブに感染者が来ていたら
私が前から気になっていたこともあります。それは,感染対策が取られているライブに新型コロナウイルスの感染者が来ていた場合,他の観客に保健所からPCR検査を受けるよう指示が出ることがあるか,あるとしたらどの範囲の観客に指示が出るかということです。
結果が陰性だったとしても,PCR検査を受検することになった時点で,仕事等に影響が出る人は少なく無いと思います。そういった方々にとって,このことはライブに行く・行かないの判断に影響するのではないでしょうか。
そんな中,神奈川県で行われたライブイベントに,ライブの数日前にPCR検査で陽性が出ていた人が出演していたと言います。
これによって,観客にPCR検査受験の指示が出ていたのか,出ていた場合の結果を気にしています。現在は,会場や主催者からのアナウンスは無いようですが,注視していこうと思います。
ライブ中止の損失は配信+限定グッズで補填を
今現在も,新型コロナウイルスの感染拡大防止のためライブが中止になることは多々あります。
ライブが中止になったら,通常,チケット代は払い戻さなければならず,損失が発生します。
損失が発生するのは出来る限り抑えなければなりません。
そこでですが,ライブが中止になった場合,チケットの払い戻しを希望しなかった観客に対し,限定グッズを送付するとともに,配信ライブを鑑賞出来るようにしたらどうでしょうか。
SUPER BEAVERさんは,新型コロナウイルスの影響により,2020年に予定していたツアーの中止を余儀なくされました。そこで,SUPER BEAVERさんは,チケットの払い戻しを希望しない観客に対して,限定Tシャツを送るとともに,チケットの払い戻しを希望しなかった観客限定の配信ライブを行いました。
もちろん,チケットの払い戻すことも出来ましたが,SNSを見る限り,多くの人が,この配信ライブを視聴したようです。
このことから,ライブを中止にするとしても,このSUPER BEAVERさんのように,チケットの払い戻しを希望しない観客に別の価値を提供することで,損失を抑えることが出来ると考えます。その「別の価値」は,配信ライブだけではなく,チケット代相当分のグッズ詰め合わせを送ることや,小規模のイベントであれば,観客と出演者のオンライントークイベント等も良いと考えます。複数の選択肢から選べるようにしても良いと考えます。これは,アーティストやイベントの特性によって,様々な可能性がありますが,出来れば,通常では手に入らない,チケットの払い戻しを希望しない人"限定"の価値を提供出来れば良いと,音楽ファンの1人としては思います。
また,その他にも,会場で販売予定であったグッズの通販や,クラウドファンディング等も,ライブ中止の損失補填には良いと考えます。
ライブ・イベント好きがコロナで1年5カ月一度もリアルイベントに行かなかったら
私はライブ・イベントが好きです。2019年にはプロ野球4試合,ライブ4公演見に行っていました。しかし,昨年2月に卓球のスポーツイベントに行って以降,一度もリアルイベントに現地で参加したことはありません。
その代わり,野球中継は見ているほか,オンラインライブも,リアルイベントに行くためのチケット代や交通費・宿泊費の分だけ見てきました。
しかし,イベントに行けてないのが効いてきたのか,最近ストレスが多く,何のために生きているのか分からないと感じることも少なくありません。
大きな楽しみが無いのは辛いことだと感じています。
楽しい時間というのは,(それが何なのかは人それぞれだと思いますが,)人が生きていくうえで必要だと思います。
自粛にはお金がかかる
7月7日,8月に茨城県で開催予定であったROCK IN ON JAPAN FESの中止が発表されました。
来場者数を例年の半分以下にし,車での来場を推奨したり,大声を出すことは禁止,マスク着用,ソーシャルディスタンス確保,検温,消毒,アルコール飲料の禁止,フェス参加前後の大声での会話や飲食の禁止など,感染対策をしての開催であったほか,熱中症患者等が使う救護テントを通常の3倍に増やすなど,何としても地元の医療に迷惑をかけずにフェスを開催するという意思を強く感じていました。
それにも関わらず,地元医師会の要請もあり,中止が決まりました。
総合プロデューサーの渋谷氏によると,今中止が発表されたとしても,損失は億単位になるといいます。自粛しろ,中止しろ,言うのは簡単です。ですが,それには必ずと言って良いほど損失が伴います。一般人が家にいるだけの自粛とは訳が違います。自粛しろ,中止しろと言うときは,そのことも考えながら言うべきだと思います。
地元医師会からの要請で中止が決まったのは,アラバキも同様です。このことから,大型フェスを開催するためには,計画段階から,地元医師会に開催を考えている旨を報告し,出来れば,地元医師会と共に,感染対策の内容を決めることや,開催可否基準をあらかじめ設定するなどが必要だと考えます。